「怪し火行列」 

 昭和43〜4年頃のこと、Nさんは子供を背負って表へ出ると川崎山の井戸口から正木集落の方向へ
動いて行く灯りの列を見た。
 その動きは道なりに行くかと思うと空中を行くようでもあり、ロウソクの火のような色で並んだり着いたり
離れたり、上下したりしていたそうで、後日近所の人に言ってみたが
 「そんなことある筈がない」
 と言われたのでそれっきり口に出すことも無かったが
 (えらい(大変な)ところへ嫁に来たものだ)
 と思ったそうだ。